人間ドック(婦人科検診)は毎年受けるべき!出産を望む全ての女性とパートナーにお伝えしたいこと
まずは人間ドックの予約!自分の身体と向き合う意識が大事
私は26歳に初めて人間ドックを受けました。会社から春になると健康診断の案内が全社員にアナウンスされるのですが、一般健診を人間ドックに代替することも承認されていました。
入社して4年目の私は寝る間を惜しんで働く日々も少なくはなかったので、体調を崩すことも増え、何割か会社負担で受けられるのであれば一度このタイミングで人間ドックを受けてみようと思い立ったことが始まりです。
会社員の方々は、加入している健康保険が人間ドックの補助を受けられる制度があるかどうか確認してみることをオススメします。
また人間ドックは健康保険の適用対象外であるため自費で受ける場合は3〜7万円支払う必要が出てきます。「そんなお金かけられないから後回しでいいや」と感じてしまう気持ちもわかりますが、もし病にかかったら早期発見できるか否かで治療費も治療期間も変わってきます。
国民健康保険の方は自治体によって補助があったり、民間の保険に加入されている方は人間ドックの割引がついているケースもあるようです。一度調べてみてください。
私の場合、まさか30代で自分ががんになるなんて20代の頃は1ミリも想定していませんでした。ただ乳がんや子宮頸がんの女性患者が増加傾向であるという記事は何回か目にした記憶がありました。原因は一概に特定はできないことですが、働く女性が増えてきていることも一つの理由であると、何気なく耳にする情報に心を動かされたのかもしれません。
働く世代の女性は、男性よりがんになる人が多い。
20代後半から50代前半まで、女性のがん罹患率が男性を上回っています。これからは、予防や早期発見に務めることはもちろんですが、がん治療と仕事の両立を考える時代になってきています。
がん早期発見に繋がるための行動力があるか?
31歳で乳がんの発見につながった理由は、復職から半年後の2018年11月に受けた人間ドックでした。できれば春に受けたかったのですが、復職日と健康診断の申請締め切りの兼ね合いで一般健診で済ませたため、第一子を妊娠してから2年間は人間ドックから離れていました。
このまま人間ドックは丸3年間受けずに翌年の春に受ければ大丈夫だと根拠のない自信をもっていたのもつかの間、育児と仕事の両立に身体が悲鳴をあげ数日熱が下がらなかったことがありました。内科から処方された薬を飲んでも全く調子があがらず、会社の上司に相談をして2〜3日お休みをいただきました。この時に婦人科も受診してみようと近所のクリニックを予約しましたが、熱の原因は特定されず、お腹に多少のウイルスが見つかったため生理痛を改善する漢方や膣から挿入する抗生剤を処方されました。
あの頃の不思議な感覚は言葉に表現しにくいのですが、毎晩胸騒ぎが止まらず寝付けない日々が続いたのです。仕事へのプレッシャーなのか?精神的なものを疑うこともできたのですが私の性格上それは考えにくく(週末ストレス発散が十分にできていて働くこと自体は好きでした。)もしかしたら他の原因があるのではないかと自分の身体に疑いをかけ人間ドックの受診を決めました。
そして休み明け会社へ出勤した際すぐに人事厚生部へ連絡を入れ、健康診断期間外での人間ドック受診の補助が受けられるかの承諾を得て予約をしました。
見て見ぬ振りもできたと思います。しかし、どんなに忙しくても自分の身体は医師に見てもらう他わからない。私が納得のいくまで向き合うことが必要だと感じたのです。こう考えられたのは夫や長女(当時2歳)の存在も大きかった。『もう私だけの人生ではない!心配をかけたくないし家庭の生活リズムをこれ以上は崩したくない!!』という気持ちが行動へと繋がりました。
超音波検査で右胸腫瘍発見!半年遅ければ命取りに
2年半ぶりの人間ドックの婦人科検診において超音波検査を受診した際に、右胸の中心に14ミリほどの腫瘍が見つかりました。クリニックの医師は「おそらく産後の授乳で乳腺が詰まった際に出来た良性の可能性が高いが念のため詳細のデータ確認と紹介状を書いておきます。」と柔らかい空気感だったため、多少の驚きはありましたが夫からも「まぁ大丈夫でしょ!」と励まされ何とか前向きに捉えられていました。
また同時に受けたマンモグラフィの検査では“異常なし”だったことも夫婦で安堵していた理由の一つでした。
2018年12月中旬、紹介していただいた総合病院で初めて主治医との出会いを果たします。
人間ドックの検査データをじっくり眺めながら丁寧な口調で包み隠さず説明をしてくださいました。
腫瘍は平べったいと良性の可能性が高いですが、縦長は要精密検査の対象になりやすく、腫瘍の周りが少しモヤモヤしているケースも悪性の疑いがあります。
私の場合、腫瘍は縦に長い楕円形であること。そして腫瘍の周りは白いケバケバが見受けられました。
どちらにせよ現時点での判断は難しく、針生検を行えば分かるが身体への負担も考慮してくださり詳しい再検査という形でMRI検査の案内を行いました。この時、私は一番気になっていたことを先生に聞きます。
悪性である可能性はどのくらいの確率ですか?
悪性の可能性は50%です。
この会話をした4日後にMRI検査を受け、検査結果を伝えられる2018年12月25日。
私は乳がんの告知を受けました。悪性腫瘍であった、間違いなく乳がんであると。
主治医は今後の治療について事細かに話してくれました。
右胸の中心にある腫瘍、そして産後の授乳で拡がった乳腺への転移の懸念もあり部分摘出ではなく全摘出することが一番の治療法であると言われます。
隣に夫もいましたが、私は右乳房の全摘出を選択しました。私の変わり果てた身体を目にした夫に嫌われてしまうかもしれないという不安はゼロではなかった。でも頭の中は長女の顔がいっぱいに広がっていました。
『娘のために、まだ死にたくない!長生きしたい!』その一心です。
ところが、さらに追い討ちをかけるかのように主治医は妊娠は当分控えるよう私と夫へ伝えます。この言葉で一気に激震が走り、なんとか堪えているつもりであった涙が溢れ出ました。
よりによってクリスマスの日に、もう子供ができないかもしれないと言われたこと。
がんが見つかると5〜10年のホルモン療法が必須であり、薬を飲んでいる間に妊娠をすると胎児奇形を促してしまうのです。
今だからこそ冷静に捉えられていることは、長女を授かっていたことが何よりも心の支えになりました。
私と夫は一人っ子同士のため、長女に従兄弟姉妹はいません。
だから『いつか二人目は欲しいよね』と夫と話はしていました。
ただ復職して仕事を頑張り始めた矢先、キャリアも諦めたくないと感じていた31歳のクリスマス。
こんな酷なプレゼント、サンタを恨みたくなりました。
絶望した私に主治医は一つの希望を提示してくれます。
ご夫婦で卵の凍結を考えてみたら?
この言葉が後に私の心を未来へと運び、第二子誕生へと導いてくれました。
主治医には何度も「よくあのタイミングで人間ドックを受診したね!」と言われます。
手術で蓋を開けてみなければ正確なステージは伝えられないが、リンパへの転移がなければステージIもしくはIIであり、もし発見が半年遅かった場合がんの種類によっては浸潤が早く命取りになっていた可能性があったこと。
がんの告知、右胸の全摘出、そして二度とできないかもしれない出産。
この現実を突きつけられたとき、もし後戻りができない状況であったら・・・
日本の現代医学は凄まじい発展があり、がんは治らない病気ではありません。
しかし私のように「第二子(子供)が欲しい」という思いを何となく抱いていても
今すぐには妊娠ができない、今後も妊娠することは厳しいかもしれないというフラグを立てられた時どんなに産みたいと思っても手遅れになってしまうケースも考えられます。
そうならないためにも1歳でも若いうちに人間ドック(婦人科検診)を受診、継続することが大事です。
私はブログを通じて、行動してくださる全ての女性そのパートナー、家族を応援したいと考えています。